いまどきのロストバゲージの話

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搭乗時にエアラインに預けた手荷物が、何らかの理由で目的地に届いていない・・・。ロストバゲージの絶望感はもう言葉になりませんよね。それが往路便ならなおさら。旅先で必要な物がなかったり、受け取りの手続きが必要だったりと、暗澹たる気分で旅の予定変更を余儀なくされることもあります。でもそんなバゲージ・ミスハンドリングのトラブルに遭った話、最近、聞くことが減ったような気がしませんか?

世界の空港・航空のデータ通信やIT技術などをサポートする業界組織・SITA(Société International de Télécommunications Aéronautiques、本部=ジュネーブ)によると、全世界で2015年に航空機に搭乗した旅客は約35億人で、その旅客1000人当たりのバゲージ・ミスハンドリングの割合は6.5%だったそうです。そしてその発生率は2007年と比較すると50.7%、前年比で10.5%も減少しています。

飛躍的な状況の改善の理由には、バゲージタグや空港内の荷物仕分け自動システムの高機能化、エアラインスタッフの作業精度の向上などに加えて、世界の空港でセルフサービスの手荷物預けの機器と施設の導入が急速に進んでいることが挙げられるそう。へー、なんだか意外な気もしますが、旅客本人が搭乗券の受け取りと同時に、目的地や個数を確認しながら手荷物に自分でタグ付けしてセルフサービスで預けるのが、結果的に一番確実ということでしょうか。いずれにしろ、これまでになかった部分へのIT技術の導入・応用が手続きを高効率化しているのは間違いないようです。ロストバゲージの憂き目に遭った話が減ったのは事実だったわけですね。

SITAによると旅客の約20%が直前の旅行にセルフサービスの手荷物預けを利用し、約31%が次回の旅行にも利用したいと回答。さらに2018年までに、世界のエアラインの約77%、空港の約88%がセルフサービスの荷物預けの設備を整える意向だとか。

米国ではすでに、預けたバゲージの現在地をスマホアプリで確認できるサービスを提供するエアラインや、フライト到着後にカルーセル(手荷物受け取りベルト)へバゲージが届くとスマホに通知するシステムを導入している空港もあります。地域や会社の方針でばらつきはあるものの、今後もIT技術を活用したさまざまなシステムの進化で、全世界的にバゲージのミスハンドリングやトラブルは減少しそうです。

「ロスト(紛失)が怖いから、できれば無理してでも機内持ち込みだけにしたい」と考えている慎重派トラベラーのみなさん(実はワタシもその一人)、先進技術を信じて今後は預け手荷物の積極利用を検討してみてはいかがでしょう? (written & photographed by Keizo Yamamoto)